【アパレル】ラグジュアリー・デザイナーズ・ファストファッションどの企業を選ぶ?

アパレル業界に就職したいと思ったのであれば、ファストファッション企業ラグジュアリーブランド企業デザイナーズブランド企業など、こんな企業に行きたいという思いを持たれると思います。

アパレル業界は現在非常に厳しい状況です。低賃金、労働環境、そして見込みの立たないアパレルの今後。

長年アパレル業界に身を置いてきたからこそ分かる【アパレル業界のリアル】をお伝えし、今後アパレル業界を目指す方や転職を考えている方の参考になれば幸いです。

ファッション=クリエイティビティ

今までの私であれば、間違いなくお勧めはデザイナーズブランド!と言っていたでしょう。なぜなら私は『デザイナーズブランドこそがファッションだ!』と激しく思っているからです。流行に左右されず、斬新で革新的な物を生み出すデザイナーズブランドこそがファッションだと思っています。マーケットインで作られたものはただの洋服。プロダクトアウトこそががファッションです。

しかし、現代ではプロダクトアウト型のデザイナーズブランドは衰退していく一方です。プロダクトアウト型の【服が人を選ぶ時代】は終わり、マーケットイン型の【人が服を選ぶ時代】にシフトした為です。

私は国内外のデザイナーズブランド企業で長年働いてきた、根っからのデザイナーズブランド崇拝者です。大きな企業ではなくブランドび成長と自身も成長していける中堅クラスのブランドや新規立ち上げブランドに携わるのが好きでした。

そんな事を言いながらも(私は既にアパレル業界から身を引きました)、もしまたアパレル業界に戻るとするならば、私はもうデザイナーズブランドで働こうとは思いません。

理由は、今の時代おいてプロダクトアウト型のデザイナーズブランドに将来性を感じられないからです。

選ぶとすればマーケットイン型のファストファッション企業大手外資系ラグジュアリーブランドのどちらかです。

アパレル業界はファストファッションラグジュアリーかで2極化してしまいました。

プロダクトアウトとマーケットインとは

本題に入る前に簡単にプロダクトアウトとマーケットインについてご説明します。

プロダクトアウトは【企業が作りたいものを作る】という考え方で、【消費者が望むものを作る】のがマーケットイン型の考え方です。マーケットインにはクリエイティビティは必要ありません。トレンド商品を短いサイクル生み出し、海外の安い工場で大量生産しマーケットに落とし込みます。よく、ファストファッションの服はすぐダメになると聞きますが。それでいいのです。むしろ消費者側にも短いサイクルで買い換えて貰った方がファストファッション企業にとってはありがたいのです。

デザイナーズブランドはマーケットインにはなりえない

一方クリエイティビティを売りにするデザイナーズブランドにとって、短サイクル・大量生産は最も苦手とするところです。なぜならば、一つ一つの商品をデザイナーがデザインし、パタンナーが形にし、デザイナーがイメージしている生地を生産が発注し、適した工場で一つ一つ丁寧に商品化していくという段取りがあるからです。

一つの商品が出来上がるまでに時間がかかりますし、お金もかかります。その分ファストファッションの物と比べ、質は遥かに良いです。デザイナーズブランドが高額なのは、それなりの理由があるからです。同じ洋服というカテゴリーでもコムデギャルソンとZARAではまるで別物という事です。
ファストファッション企業と対極に存在するのがデザイナーズブランド企業です。

プロダクトアウトのメリットとデメリット

独自のオリジナリティ溢れた商品を生み出すので、それがヒットすれば競合はなく莫大な利益を生むことが出来ます。また今までにない、画期的な商品が生まれ、新しいトレンドを作り出す可能性もあります。

一方デメリットは、外れた時のリスクが非常に高い事です。マーケットの動向よりも自分たちの考えを優先するので、全く市場価値がない商品が生まれる可能性もあります。また、いわゆるブランドファンからは絶大な支持を得ますが、その層はごく一部でそれ以上の支持を得る事が難しく、その先に広がる大きな市場にまでリーチしません。ニッチ産業的なビジネスになりがちです。

マーケットインのメリットとデメリット

市場のトレンドに合わせた物作りを行うため、一定の需要を見込め、在庫リスクも少ないです。また、デザイナーズブランドがシーズンで展開する商品を事前に全て決めてしまうのに対して、シーズン中でも売れ筋に対して追加発注やスポットで新たな商品を生み出すことも可能です。そのため、例えトレンドが変わっても柔軟に対応する事が出来ます。一方で、トレンドを意識した物作りを行なっているため、独自性がなくファストファッション系のお店に置いてある商品はどれも似たり寄ったりになります。それは競合他者が非常に多い事を意味します。そうなれば力のない企業は淘汰されていきます。日本からTOPSHOPが撤退したのが良い例です。

プロダクトアウトが絶対に悪いわけではない

トレンドに合わせた物作りを行い、リスクが少ないマーケットインの方がプロダクトアウトよりも優れているようにも思えますが、一概にプロダクトアウトの方が劣ってるとは言えません。

例えば今大人気デザイナーズブランドのsacaiはこの時代においてプロダクトアウト型ビジネスを展開し、絶対な人気を誇っています。現在では売上規模100億を超えるブランドに成長しています。これはラグジュアリーブランドのセリーヌなどに匹敵する額です。sacaiのようにヒットすれば、市場を独占する事が出来、莫大な利益を生むことが出来るのです。

ではなぜプロダクトアウトのアパレル企業は衰退し、ファストファッション企業が主流になったのでしょうか。
それは、アパレル業界の歴史が関係しています。

日本におけるデザイナーズブランドの隆盛期

1950~1970年代の高度成長期の日本においては大量生産・大量消費が当たり前で、物があふれる時代でした。1980年代に入り台頭してきたのが、マンションメーカーと言われるアパレル形態です。今あるデザイナーズブランドの多くがマンションメーカーからスタートしています。マンションメーカーは少人数で構成され、自分たちが良いと思う独創的なアイテムをデザインし、小ロットで生産し、短いサイクルで服を作ることで流行に敏感な若者たちの心を掴みました。マンションメーカーから徐々に成長し、DC(デザイナーズ&キャラクター)ブランドブームを巻き起こしました。
彼らの多くがデザイナーの名前をブランド名に据え、それぞれが個性的な独創的なデザインの洋服を展開しました。

物が溢れる時代において、こういった個性的で独創的なデザインが人気を博し、マンションメーカーから一気に大企業に成長したブランドが多く誕生しました。

その中で特に有名なのが、タケオキクチのBIGIComme des Garconsの川久保玲ISSEYMIYAKEの三宅一生Y’sの山本耀司などでしょう。その魅力は日本を飛び出し、世界からも称賛される偉大なデザイナーになりました。

DC(デザイナーズ&キャラクター)ブランドの終焉

デザイナーは神様で【人が洋服を選ぶのではなく、洋服が人を選ぶ】というような時代でした。【着れない人は着なくて良い】という現在とはまるで正反対な考えです。

このような考え方が罷り通っていた時代に数多くのDCブランドが誕生しました。当時を知る先輩方の話を聞くと、セール時期などは、開店後数時間で全商品完売し、昼にはもう店を閉めるなんて事もあったそうです。また、接客もほぼ必要なく、勝手に物が売れていったそうです。それほど商品力が強かったという事を物語っています。

しかし、1990年代突然バブルが弾け、人々は服にお金を使う事をやめました。

それまで右肩上がりで成長していたブランドは一気に売れなくなり、体力のないDCブランドはアパレルから姿を消していきました。

台頭するファストファッション

バブル崩壊後、人々は服にお金をかけなくなります。そこで台頭してきたのが、ユニクロやしまむらなどの低価格帯の企業です。外資からもZARA、H&M、TOPSHOP、FOREVER21など多くの企業が日本市場に参入し、一気にアパレル業界はファストファッションの波に飲み込まれていきました。

ファストファッション台頭後は、それまで体力を残していたデザイナーズブランドもどんどん衰退し、ついにはあのヨウジヤマモトですら倒産するほどになりました。

一方そんな中でも売上を維持し、変わらぬ成長をするデザイナーズブランドもありました。
それは、ルイヴィトンやシャネル、エルメスといったラグジュアリーブランドです。

本当にお金持ちの人は、変わらず高級ラグジュアリーブランドを買い続けましたし、一般人は普段はZARAやUNIQLOといったファストファッションのお店で服を買い、ボーナス時期になれば少し贅沢して高級のラグジュアリーブランドを買うという購買方式が生まれ、中堅のデザイナーズブランドは見向きもされなくなったのです。
アパレル業界は低価格のファストファッションか高級ラグジュアリーという二極化が始まりました。
その間の中間ブランドは時代から置いていかれることになりました。

選択を迫られたデザイナーズ企業 低価格路線か高級路線か

中堅デザイナーズブランドは低価格路線でいくか高級路線でいくか方向性を迫られました。ファストファッションブームの中、その波に乗ろうと多くの企業が低価格路線を選択しました。しかし、海外に大きな生産拠点を持ち、圧倒的な生産力があるファストファッション企業に価格競争で勝てるわけがありませんでした。

その上、安売りをしたことで今までファンであった顧客からもブランドとしての信用を失い、見捨てられてしまう始末です。

一方で、高級路線を取った企業も苦戦を強いられています。単純に価格を上げれば高級ブランドになれるわけではありません。ブランドとは信用です。高い価格には、商品の質、接客の質、アフターサービスなど多くの付加価値が乗っかっています。
その信用を一朝一夕で得られるものではなかったからです。

ラグジュアリーブランドが売れ続ける理由

定番商品がある

ルイヴィトンやエルメスなどが売れ続ける理由は、定番商品が常に売れ続けているからです。パリコレなどで華やかなファッションショーを行なっているので、意外と知られていませんが、ショーなどで発表される新作はごく一部で、実際の売上の基盤を作っている商品は”コア商品”と呼ばれる定番アイテムです。
ルイヴィトンで言えばモノグラムバッグなどです。毎シーズンマイナーチェンジはあっても長年ほとんど姿形を変えず販売されています。”コア商品”は流行など関係ありません。いつの時代でも流行に左右されず愛され、安定的な売上を確保出来る商品がラグジュアリーブランドにはあるのです。

値下げをしない

ルイヴィトンやエルメスのような真のハイブランドは一切値下げをしません。最近アウトレットに行けば大抵のブランドの店がありますが、この2ブランドに限ってはアウトレットへの展開やセールなど行いません。むしろ、徐々に値段が上がっています。在庫処分という意味では、値下げ販売は必要不可欠ですが、値下げをする事で顧客からの信頼を失ってしまうのです。せっかく買った商品がアウトレットにいったら半額になっていたというような経験はないでしょうか?ハイブランドはそのような事をしないので、顧客が安心して購入することが出来るのです。

顧客型ビジネス

値下げをしないとうことや、ブランドとしての信用が高いので、顧客から圧倒的な指示を得ています。”超”がつくようなお金持ちの顧客と太いパイプがあり、安定的に売上を作ることができるのも強みです。

量産しない

例え売れ筋の商品が出来たからといって、急いで追加発注なんて事はしません。ハイブランドは入荷まで半年だろうがお客を”待たせます”。人の心理は不思議なもので、品薄なものにはとても物欲を持ちますが、常に店頭にあるような商品には反応しません。
人間の心理を理解し、大量生産せず、お客に常に”枯渇感”を持たせ、購買意欲を上げているのです。

仕事としてのアパレル業界

アパレルの構造を知りたいのであれば、企画から生産背景、そして量産、販売と全てに携わることのできるデザイナーズ企業は本当に面白い会社だと思います。しかし、今回お伝えしたように、今までのデザイナーズブランドのやり方では物が売れる時代ではなくなりました。トレンド商品を作り、外れのないマーケットイン型のファストファッションか、昔から変わらぬスタイルを突き通す、ラグジュアリーブランドのどちらかでなければアパレル業界で生き残るのは難しくなってしまいました。
sacaiのように売れれば良いですが、これからsacaiのようなブランドが出てくることはそうないでしょう。自分が働きたいと思える企業で働くことで、仕事へのモチベーションを上げる事が出来るはずです。しかし、労働に対する対価が伴わなければ、いずれそのモチベーションは下がっていきます。

まとめ

アパレル業界でこれから働くのであれば、ファストファッション企業か、ラグジュアリーブランドをお勧めします。
しかし、あなたがもしまだ若いのであれば、デザイナーズブランドで働き、真のアパレルに触れてから上記の企業へ転職するのも良いと思います。アパレル業界は他では味わうことの出来ない魅力が溢れる業界です。これからのアパレルの動向を読み、今行くべき企業を見つけてください。

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