アパレル販売員でも本社(内勤)勤務は可能!キャリアアップの方法!

販売員から本社(内勤)勤務は”難しい”という情報は溢れていますが、異動する為の方法が書かれている記事は少ないです。確かに、本社(内勤)への異動は難しいのは事実ですが、方法を知れば決して不可能ではありません。
私の経験上、多くのスタッフが本社勤務へ異動または転職などでキャリアアップしているのを実際にみてきました。

まずはなぜ販売から本社勤務へのキャリアアップが難しいのかを知り、そこから対策を立てましょう。

本社へのキャリアアップが難しい理由

そもそも募集枠が違うと言ってしまったら元も子もないので、それは置いておきます。
私は長年アパレルの営業をしているな中で、『本社に行きたい!』と販売スタッフから相談を受ける事が多々ありました。

店舗でしっかりと実績を出し、能力もとても高い方が多くいましたが、本社へのキャリアアップが難しい理由があるのです。

アパレル本社スタッフは削られている

アパレルの本社スタッフは、タイトな人数で構成されている事がほとんどです。アパレル業界の利益率はとても低いので、必要経費以外はとことん切り詰めます。その切り詰めの対象となるのが“人件費”です。

実店舗を展開しているアパレル企業である以上、販売スタッフはとても貴重な存在です。現場に人がいなければ、何も始まりません。そこで人件費削減の対象にるのが本社スタッフです。

店舗から見れば、内勤スタッフは『優雅にやっている』と思われるかもしれませんが、売れないアパレル会社の本社スタッフは日々戦々恐々としています。

私が以前いた職場(大手国産メーカー)でも、人切りは露骨でした。売れないブランドの本社スタッフは、必要最低限の人数だけ残し他ブランドへ飛ばされます。違うブランドに回されるならまだしも、全く関係のない部署やグループ会社へまで異動命令が下ります。

特に酷い時には、地方の物流倉庫に飛ばされ、ロジスティクスマネージャー等タイトルは付けるものの実際やっている事はただの商品整理。ただの体の良い厄介払いです。
そうして嫌気が差して辞めていく先輩方を多く見てきました。

残された本社スタッフもスタッフで、人員補充があるはずもなく、消えた人の分の仕事を請け負い、仕事量が爆増します。
私の場合は、ブランドが売れていた頃は70店舗ほどを4人で管理していましたが、売れなくなった途端、同僚2人が他ブランドへ異動になり、一人で国内外合わせて50店舗も見る事になりました。
かなりハードで、ほとんど家に帰れない日々が続きました。

現在はそこから更に人を削減している状況です。

仕事が出来ない人はどんどん仕事を奪われています。

本社勤務はそもそもがタイトな人数公正な上に、現在更に人を削っている状況なので新に人を受け入れる余裕がありません。
もし採用するにしても他社の経験者を優先するので、販売からコンバートする事は滅多にないのです。

他業種からアパレル業界への転職者(本社勤務)が極端に少ないのも経験者を優遇しているからです。

アパレルの内勤は専門性が高い

アパレルの内勤の職種はどれも専門性が高いです。その為、欠員が出た場合は即戦力になる経験者を優遇します。
アパレル業界が中途が多い所以です。売れている会社ならまだしも、売れないアパレル企業は新卒から育てている余裕がないのです。例え新卒を募集していても、販売職しか募集していない場合が殆どです。

外資系の企業の場合は特に部署ごとの専門性が高いので、販売職から本社勤務への異動は難しいでしょう。
販売職は販売職。何か特別な理由がない限り内勤への異動はほとんどありません。

アパレル業界の職種

アパレル業界で本社勤務をしたいと思っていても、どんな職種があるかまずは知らないといけません。

新卒採用をしている多くの企業は、

販売職
総合職 (営業・MD・生産・人事・経理・プレス・商品管理など)
専門職(企画・パタンナーなど)⇦国産ブランドのみ

の3枠(外資系の場合は専門職を除いた2枠)で募集をしているはずです。

専門職は服飾の専門学校を出ていないと通常入社は難しいので、一般的な学校を卒業した人は”総合職”を目指してください。一般的にはジョブローテーションを経て、その人のスキルに合った配属先が決められます。

余談になりますが、人事や経理などの管理部門に配属になった場合、営業やMDなど“THEアパレル”のような職種に異動することは難しくなるので、“THEアパレル”の仕事をやりたいという方は最初にしっかりと自分の意向を伝えましょう。
事務方の職種の方がアパレル業界から転職を考えた際に”つぶしが利く”というメリットがあります。

本社勤務へキャリアアップする為の方法

 

では本題に入りたいと思います。

さんざん難しいという事を言ってきましたが、アパレルで本社(内勤)で働きたいと思った場合どうすれば良いのでしょうか。

新卒もしくは第二新卒から総合職で入社する

本社勤務する為には、”新卒”で総合職として入社してください。『それが出来なかったから言ってるんだ!!』とご指摘をいただきそうですが、新卒入職こそが何より一番確実な方法だからです。

アパレル希望者で多いのが憧れや好きなブランド・会社に入る事を優先し、他社の総合職を受けず、総合職が無理だったからとりあえず販売職から始めるという方がとても多いです。

それは絶対にやめましょう。アパレルの総合職の新卒での入社はただでさえ難関です。希望ブランドを優先するよりも”総合職”で入社する事を優先してください。

総合職としての経験を積んでから本当に行きたい会社に転職すればいいだけです。アパレル業界は転職してなんぼの世界です。同業種であればいくらでも転職は出来ます。

僕自身も、外資系のトップブランドに行きたい気持ちがありましたが、新卒での入職が出来ませんでした。しかし、2回転職をしてステップアップし、最終的には新卒の時に希望していた企業から内定をもらうことが出来ました。

既に販売を始めている場合は、あなたがまだ第二新卒枠内であれば転職を考えましょう。
他社で本社勤務を目指した方が、今いる会社で本社異動を目指すよりも可能性は高いはずです。

販売職から営業職・SVへ異動

販売職からの異動で可能性があるとすれば“営業””SV(スーパーバイザー)”でしょう。

本社で営業やSVの欠員が出た場合、販売職から引き抜くケースは割と良くあります。営業やSVは現場と密に関わる仕事なので、現場の仕事を何より理解していなくてはなりません。

そしてスタッフと強い信頼関係を築く事が求められます。そうなると、販売職は現場を一番良く知っていますし、販売の仲間からの信用もあるので即戦力として考えられます。会社からすれば外部から人を雇うよりも費用もかからないので、メリットもあります

引く抜かれる為にはまず、ストアマネージャー(店長)を目指して下さい。

そして、個人予算はもちろんの事、店舗予算を達成し実績作ります。またスタッフのマネージメント(育成)も重要です。スタッフから信頼を得るようにし、自店だけでなく、他の店舗スタッフからも慕われるレベルにまでなって下さい。
出来るスタッフは休みを利用し、他店へ店回りなどをよく行っています。
そこでスタッフの相談に乗り、売場の状況などを確認し、自店舗以外も店舗の状況も把握しています。

また、自分の店舗が入っている取引先(百貨店やファッションビル)の担当者と円滑なコミュニケーションを取れるようにすることも非常に大事な役割です。

【売上管理・スタッフ育成・取引先との関係性】言ってしまえばこの3点は営業の仕事と同じです。これが出来れば営業として十分に活躍できます。

僕の経験上この3点が優れた店長は営業やSVとして本社勤務に引き抜かれる事が多いです。

一度他社へ総合職として転職する

販売職を続けて、本社勤務を目指すのではなく、一度外に出てスキルアップしてから戻ってくるという手もあります。

外部への転職は他業種であろうが内勤で働ける会社を選び、経験を積んでください。

営業職や事務職を経験してから戻ってきた方が、販売職を続けて本社勤務を目指すより手っ取り早い場合もあります。

私の知り合いも(意図していた訳ではありませんが)、アパレル販売から事務職に転職し、結果的にアパレルの人事に戻ってきた人もいます。

アパレル業界といえど、バックオフィス系の職種であれば他業種からの転職も多いです。

内勤異動が可能な企業を選ぶ

多くのアパレル企業の場合は”販売は販売”という考えであるので、本社勤務への希望はまず通りません。しかし逆に、“販売職を経験してからでないと内勤の仕事はさせない”という方針を持つ企業もあります。

例えばKeringグループの“GUCCI”が正にそうでした。(体制が変わっていない限り)

実際にGUCCIの社長は販売職上がりで、カリスマ店長として有名だった方です。私がお会いした人事の方も営業の方も販売職を経て今のポジションに就いたと言っていました。

また、空きポストが出次第、販売から内勤への希望を通してくれる企業もなくはないです。

私の以前勤めていた外資系のアパレル企業は、

お店でVMD担当していた子が内勤のVMDに異動
英語が堪能なスタッフが広報に異動
理系の大学を卒業した子がMDに異動
ベテラン店長がエリアマネージャーに昇格

など頻繁に行われていました。私が在職していた2年間で5人は本社へ異動になっていました。

このような会社も少ないながらも存在しますので、事前にその企業の人事方針を確認してから入社するようにしましょう。

ちなみに大手アパレル企業だとあまりケースです。中小企業で勢いのあるブランドの方が異動の可能性は高いはずです。

まとめ

基本的には販売職から本社勤務は難しいですが、方法がないわけでもありません。

本社勤務と言っても、様々な職種があるので、まずは内勤で何の仕事がしたいのか明確な目標を決めてください。
そうすれば自ずとその職種に就くための道順が見えてくるはずです。

営業を目指すのであれば、販売職からスタートしてもいいかもしれません。それ以外の職種を目指すのであれば、販売で残るのは賢明ではないかもしれません。

販売は販売と諦めず、可能性を信じてご自身のやりたい事道に進んでください!

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