防火・防災管理者講習のすべて!申請・時間割・内容・効果測定など

こんにちは。エルバスです。

仕事で防火・防災管理者の資格取得が必要になり、講習を受けてきました。
私と同じようにこれから受講をしなければならない人も多いのではないでしょうか。そんな方の為に、実際に受けてきた時の様子を全てご紹介いたします。

※私が受けたのは東京消防庁管轄の立川での講習です。他府県の場合は違いがあると思います。
また、同じ東京の場合でも会場・日程によって、内容が異なる場合があるかもしれないので、あくまで参考にしてください。

防火・防災管理者講習とは

自分が所属する建物の防火・防災責任者としての資格を取得する為の講習です。一定の基準を越えた建物では必ず必要になる資格です。
講習は丸2日間行われ、最後の効果測定に合格にすると修了証をもらえます。

最初にお伝えしておきますと、この講習とても”キツイ”です。何がキツイかと言うと、ただひたすら席に座って受ける講義だからです。とりわけ、学生生活から長く離れた私にとってめちゃくちゃしんどかったです…。2日間朝9時から17時までみっちりお勉強します。

事前準備

申請方法

東京消防庁のホームページ入り、【防火・防災管理者講習】を検索。

1の赤丸で日程空き状況をまず確認します。(リアルタイムの空き状況は最寄りの消防署に問い合わせれば教えてくれます。)

日程を確認したら、2の赤丸で【申請書】をダウンロードし、太字の欄のみ記入します。

記入後、近所の消防署や分署、出張所に提出します。(管轄が変わってしまうので、都道府県はまたがないでください!)
問題なく申請が通れば、【受講票】が交付されます。

費用

東京都の場合、必要な費用は教材費の5,000円のみです。

持ち物

・受講票
・身分証明書
⇨二日目受講時と修了証引き換えの際に必要になります。
・筆記用具
⇨署名に使うボールペンと効果測定の際に使用するシャーペンか鉛筆持参が必須です。
・三角巾(教材を譲り受けた場合)
⇨教材を新規で購入した場合は教材の中に入っています。

あると便利な物

・蛍光マーカー
⇨講師が重要と言った箇所に印を付けます。
・付箋
⇨すぐに見直せるように、印を付けたページに付箋を付けます。
・メモ帳
⇨実技の際に、効果測定に出る問題を言われるので、必要であればメモしましょう。

当日

会場の場所

1.試験講習場(消防技術試験講習場)
東京都千代田区外神田4-14-4

☆2.立川防災館(立川都民防災教育センター)

東京都立川市泉町1156-1

3.本所防災館(本所都民防災教育センター)

東京都墨田区横川4-6-6

今回、私が行ってきた会場は2番の立川防災館です

モノレール 高松駅より徒歩10-15分程度。道はほぼ真っ直ぐなので迷うことはありませんが、結構歩きます…
タクシーの利用をお考えであれば、JR立川駅又はモノレールの場合立川南で下車し、バスロータリーにタクシー乗り場がありますのでそこから乗ると良いです。一番最寄り駅であるモノレールの高松駅には(見たところ)タクシーはいませんでした。
車の場合は、会場に車は停められないので高松駅の横にある駐車場に停める事になります。(結局歩く羽目になる…)

スケジュール

始まりと終わりの時間はどこも同じなので、各会場スケジュールは同じだと思いますが、内容に変更があるかもしれません。
以下のスケジュールは立川会場のものになります。
受付開始はいずれの会場も08:30~になります。
(太字⇨面白かった講義)

初日
時間科目内容
09:00-09:10講習案内
09:10-10:00過去の災害事例と教訓火災事例から学ぶ教訓
休憩
10:10-10:50防火・防災管理制度防火・防災管理制度とその業務概要
休憩
11:00-12:00火災に関する基礎知識火災に関する基礎知識/危険物等の安全管理
昼休憩(60分)
13:00-14:00火災事例と出火防止対策出火防止対策/火気使用設備器具等の維持管理
休憩
14:10-15:10施設・設備の維持管理建設物の防火対策と避難施設/消防用設備等の種類と維持管理
休憩
15:20-16:50消防用設備等の操作要領(実技)消防用設備等の操作及び取扱い要領
16:50-17:00事務連絡等
解散

立川の場合、初日のみ重たい教材を席に置いて帰る事を許可してもらえました。

2日目
時間科目内容
09:00-09:10講習案内
09:10-10:10地震・その他の災害対策地震・その他の災害から学ぶ教訓/地震対策とその他の災害対策
休憩
10:20-11:20自衛消防の活動自衛消防対策の重要性/自生消防組織/自衛消防活動及び自衛消防訓練
昼休憩(60分)
12:20-13:20災害対策の実施要領(実技)オフィス家具等の転倒防止/応急手当、救出・救護要領
休憩
13:30-15:00消防計画の作成要領消防計画の作成基準・作成要領・実効性の確保
休憩
15:10-16:10防火・防災管理の進め方防火・防災管理の進め方/防火対象物・防災管理定期点検報告/消防法令に基づく届出等
16:10-17:00効果測定/修了証交付/事務連絡等
解散

見直すと、どの講義も私は中々楽しめました。特に過去事例の話は、何が問題だったのかから、同じ過ちを繰り返さない為には『どうするべきか』という教訓を教わるので実践形式でとても為になります。
また、初日最後の実技は何より為になりました。普通に仕事をしている中で関わる事のない防火・防災の施設設備を実際に体験出来ますし、消火器や消火栓を使った火消しも体験できます。皆さん遠慮してやりたがらないですが、実際に放水出来る機会はそう滅多にないので、万が一に備えて是非参加する事をお勧めします!!
2日目の実技では、三角巾の使い方について学ぶことになりますが、これはつまらなかった。本来は隣の席の方とセットになって行うべきですが、自分自身に包帯を巻くことになります。全く実践形式でなく、残念でした。

昼食について

私が受講した立川防災館ではお弁当屋さんが来ていました。朝引換券を購入し昼にお弁当と引き換えるシステムです。値段は550円でした。
ちなみにお弁当は下記のものです。(2日目もおかずに大きな変化はなし)味は可もなく不可もなくといったところ。
立川の場合、上の地図を見てもお分かりになると思いますが、近くに何もないので弁当を持参するか市役所横にあるコンビニまで買いに行くことになります。
コンビニまで歩いて5分はかかるので、弁当屋で頼まないのであれば予め購入しておく事をお勧めします。

休憩室は、講義室がある4階になります。受講人数が多い場合は、講義室で食べる事も可との事でした。

他の会場にも弁当屋が来るのか分かりませんが、他会場の周りには飲食店が沢山あるようです。

効果測定

試験ではなく、講義の理解度を測るための”効果測定”です。2日目最後の講義後に行われ、問題は全部で20問で構成されています。
問題に対して【正】or【誤】で2択で回答し、及第点を越えれば合格となります。
講義中に講師の方が『ここ重要です』と教えてくれ、その箇所がそのまま出題されますので覚えていれば何も問題ありません。
ひっかけ問題などはなく、例え講義を聞いていなくても冷静に考えれば分かる問題しかありません。
不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私の受講時119人いましたが、全員合格していました。
例え落第したとしても、その日のうちに補習を受ければ修了認定をもらえるそうです。
それでも心配な方は下記のポイントを先に抑えておいてください。(※注意※ 毎回同じ箇所が重要事項なのかは分かりませんので、同じ問題が出題される保障はありません。)

重要事項の箇所

マーカーを引いた個所を下記にまとめておきますので、参考までにご覧ください。分からない用語など多いと思いますが、講義を聞く中で理解できます。

 

第2章 防火管理制度

1.  防火管理とは、火災の発生を防止し、かつ、万一火災が発生した場合でもその被害を最小限に止めるため、必要な万全の対策を樹立し、実践することをいう。

2. 統括防火管理者は、防火対象物の区分に応じ、防火管理講習の課程を修了した者等で、当該防火対象物の全体について防火管理上必要な業務を適切に遂行するために必要な権限及び知識を有していることが必要。

第3章 防災管理制度

3. 防災管理者は、防災管理に係る消防計画を作成し届け出るとともに、これに基づいて非難の訓練を年1回以上実施し、実施する際には消防機関へ通報しなければならない。

4. 統括防災管理者は、防災管理義務対象物の全体についての防災管理に係る消防計画を作成し、所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。

5. 統括防災管理者は、全体についての消防計画に基づいて、避難訓練の実施、防災管理義務対象物の廊下、階段、避難口その他避難上必要な施設の管理その他防災管理義務対象物全体についての防災管理上必要な業務を行わばければならない。

第4章 危険物等の安全管理

6. 火災予防条例では指定数量の5分の1以上指定数量未満の危険物(『少量危険物』という。)を貯蔵し、又は取り扱う場所(『少量危険物貯蔵取扱所』をという。)を設置しようとする者は、設置しようとする日の10日前までに少量危険物貯蔵取扱箇所の位置、構造及び設備を記載した図書を添付して消防署長に届け出て、検査を受けなければならないとされている。(届出の内容を変更しようとするとき、廃止するときも届出が必要である。)

第5章 出火防止と火災事例

7. 火気使用設備器具等からの出火を防止するためには、安全な構造のものを安全な場所に設置し、安全な状態を維持するとともに正しく使用することが必要である。

第6章 建築物の防火施設と設備

8.  防火区画は、それぞれ定められた耐火構造又は準耐火構造の壁、床で作られるが、出入口の等の開口部やダクト、配管等の貫通部分があり、この部分も有効に区画することが重要。

9. 自動火災報知設備は感知器により、火災発生の初期の段階において熱、炎又は煙をいち早くキャッチし、火災の発生を受信機に表示し、かつ警報を発することにより、在館者に知らせる設備である。

第7章 地震その他の災害対策

10. 地震火災の発生要因を踏まえ、事業所に設置してある火気使用設備器具等のそれぞれの危険性を把握し、点検と事前の措置を行う。

11. 緊急地震速報受診時の対応
・その場で、頭を保護し、揺れに備えて身構える。
・頭を保護し、大きな家具から離れ、丈夫な机の下のなどに隠れる。

第8章 自衛消防

12. 初期消火の時期
一般に消火器や消化バケツ等は、避難路を確保した上で天井に火が移るまでの間を判断する一応の目安する。

13. 消防期間への通報
エレベーターの閉じ込め発生時は、原則としてエレベーター管理会社へ通報する。けが人の発生等で緊急の場合のみ119番通報を行う。

14. 血液感染防止
止血をするときは、直接血液に触れないようにする。ゴム手袋・ビニール袋などを着用することが勧められる。

第9章 消防計画

15. 防火管理に係る消防計画とはその事業所において火災予防上及び発生時に行わなければならない事項が全て盛り込まれた防火管理に関する規則であり、その事業所の全ての者がこれを厳しく厳守することが重要となる。

16. 防災管理に係る消防計画は、防火管理に係る消防計画と同様、防災管理の基本方針であり、管理権限者の指示を受けて防災管理者が作成するものである。

17. 教育はアルバイトやパートタイマーなどで研修制度等ない者であっても、配属先で努めて早い時期に行う。

第10章 特例認定

18. 防火対象物点検報告が義務となる防火対象物のうち、一定の期間以上継続して消防法令を遵守しているものにあっては、防火対象物の管理権限者が消防機関に申請し、検査を受けることにより特例認定を受けられる。

参照元:公益財団法人東京防災救急協会【防火・防災管理の知識】より

カンの良い方は、『20項目ないじゃん!』とお気づきになるかもしれません。その他2問は初日の実技の中で伝えられます。
口頭での説明になりますので、不安な方はメモを用意しておきましょう。
私の時は、
・警報装置
・消火栓ホースの使い方
の実技の中で説明がありました。

その他知っておくと便利なこと

私が実際に受講してきて、『これを知っておくと良かったな。』と思う事がいくつかありましたので、記しておきます。確実ではない可能性もあります。

遅刻しても大丈夫な説

初日30分程度遅刻している人がちらほらいましたが、普通に通されていました。万が一遅れてしまった場合も諦めず参加しましょう。

寝ていても大丈夫な説

お勧めはしませんが、基本教科書を読み上げる講義が延々と続くので誰もが眠くなると思います。
実際、周りを見渡すと居眠りをしている人が多くいました。監視に注意されている人もいましたが、それで退出を命ぜられる人は一人もいませんでした。
以前、講義アンケートで『イビキがうるさく、講師の声が聞こえなかった』というクレームがあったそう。大イビキをかいて寝る事は避けましょう。

受講票忘れても大丈夫な説

数人の方が受講票を持ってきていませんでしたが、監視に説明しそのまま受講していました。

喫煙

立川の場合は、会場出て目の前に喫煙所があります。

飲み物

キャップ付きのペットボトルなどであれば持ち込み可です。カップのコーヒーなどは不可です。

まとめ

長時間の講習でとてもキツイですが、内容はすべて身になる事ばかりでした。
講習前は、上司から指示されたので仕方なく参加と面倒だと感じていました。しかし講義受ける中で、事例を自分の事業所に重ねて受講することで、『この事件がうちの施設で起きた場合どうなるんだ!?』と恐怖を感じ、防火・防災対策に真剣に取り組もうと強く思いました。
また防火・防災管理者に任命されると問題が起きた時に責任を取らされる可能性があります。『資格は持ってるけど何も出来ませんでした』では許されません。それを考え講習に臨む事で、否が応でにも講義に身が入るはずです。
これから受講される方は大変だと思いますが、眠気を我慢して頑張ってください!!

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